三味線の楽器解説
三味線本体
三味線の木は高級品は「紅木(こうき)」を使用しますが、他に「紫檀(したん)」「花林(かりん)」も使用されます。
価格は紅木>紫檀>花林となっています。
皮は「猫皮」「犬皮」「合成皮」があり、猫皮が最も音色が良いといわれています。
しかし、津軽三味線は奏法の違い等で耐久性のある犬皮が使われるのが一般的です。
持ち運びに便利なように、本体は棹の真ん中で分解出来るものがあり、胴と棹+棹×2の三分割できます。(三つ折れという)
三味線には「細棹」「中棹」「太棹」があります。
形は同じですが、棹の太さや大きさが少しずつ違います。
これらは演奏するジャンルによって使い分けるのが一般的です。
・細棹→長唄
・中棹→地歌、民謡、小唄、常盤津、清元
・太棹→津軽、義太夫
といったように使い分けています。
三味線の絃
三味線の絃は文字通り3本です。
素材は本来は絹ですが、現在はテトロン製が安価でよく使われます。
太い絃から「一の糸」「二の糸」「三の糸」といいます。
三味線のサイズにより絃の太さも異なります。
三味線には独特な「さわり」というものがあります。
これは一の糸を棹にわずかに接触させる事によって独特の響きを出すことです。
倍音成分が豊かになり、音色が変化します。
調弦の仕方によって生まれるこの「さわり」をネジを使って意図的に産み出す機構を「東(あずま)さわり」といいます。
三味線の撥・駒
三味線の撥ですが、これも色々な種類があります。
象牙、鼈甲(べっこう)、木、プラスチックがあります。
価格も様々で貴重な素材(象牙等)はかなり高価です。
これも演奏するジャンルによって使い分けられます。
また素材によって音色も変わってきますので、曲調によっても使い分けられます。
駒も様々で、象牙、水牛、竹、木等色々な種類があり、こちらも色々と使い分けられます。
このように、三味線は本体、撥、駒が色々種類があり、その組み合わせは膨大なものになります。
ジャンルによってある程度のセオリーはありますが、あえて違う組み合わせを使ったりするのも演奏者の音楽性が出る部分でもあります。