三味線

清元節

読み:きよもとぶし

清元節は、江戸時代後期に成立した浄瑠璃の一派です。文化11年(1814)、富本節の太夫であった二代目富本斎宮太夫が富本節から独立し、初代清元延寿太夫と改名して創始しました。

高い音域を生かした伸びやかな発声と、細やかで歌うような節回しを特徴とします。江戸らしい粋、艶やかさ、哀切さを表現することに優れ、常磐津節に比べて軽妙で繊細な印象を持つ音楽です。

歌舞伎舞踊の伴奏として発展し、一人の役者が複数の役柄を踊り分ける「変化物」などにも多く用いられました。幕末から明治期には、四代目清元延寿太夫と歌舞伎作者の河竹黙阿弥との提携によって数多くの作品が生まれ、清元節の最盛期を築きました。のちには、舞踊や演技を伴わず、太夫と三味線だけで演奏する素浄瑠璃の作品も作られています。

演奏には中棹三味線を用います。太夫の節回しや息遣いに寄り添ってテンポを細かく変化させ、澄んだ柔らかな音色で語りを支えます。高い調弦で華やかな旋律を加える上調子も、清元節の重要な役割です。代表曲には『保名』『三千歳』『北州』などがあります。