三味線 / 歴史・人物

義太夫節

読み:ぎだゆうぶし

義太夫節は、江戸時代前期に大坂で初代竹本義太夫が、それまでの浄瑠璃を集大成して成立させた語り物音楽です。貞享元年(1684)に竹本義太夫が道頓堀に竹本座を開き、近松門左衛門らと協力して多くの作品を上演したことで広く普及しました。現在では、人形浄瑠璃文楽を支える音楽として特によく知られています。

演奏は、物語を語る「太夫」と太棹三味線を弾く「三味線弾き」によって行われます。太夫は、登場人物のせりふ、情景の説明、人物の心情などを一人で語り分け、旋律や抑揚、声色、緩急を使って物語を劇的に表現します。語りは、人物のせりふにあたる「詞」、情景や物語を説明する「地合」、三味線とともに旋律的に語る「節」などから成り立っています。

三味線は単なる伴奏ではなく、太夫と呼吸を合わせながら、登場人物の感情、場面の雰囲気、自然の情景、物語の緊張感などを音で表します。太く低い音を持つ太棹三味線を用いるため、重厚で力強く、劇的な響きを備えていることが義太夫節の大きな特徴です。

義太夫節は文楽のほか、人形を伴わず太夫と三味線だけで演奏する「素浄瑠璃」や、歌舞伎の義太夫狂言・舞踊などでも用いられます。歌舞伎で演奏される義太夫節や、その演奏者は「竹本」と呼ばれます。